2024年08月

8/29㈭周辺環境を無視して間取りを考えていませんか?~家づくりに関する豆知識~

 

この分譲地のEHは最も競争率が高い南道路の日当たりがいい土地ですが、

仮にあなたがFの土地に家を建てるとしたら、どのような要望をお伝えになるでしょうか。

 

 こんにちは

eguken myhome studio 江口です。

 

この場合、一般的には出来るだけ多くの部屋を

南向きでつくりたいとお考えになると思います。

ゆえ、住宅会社はそれを実現すべく

そもそも2階建てありきで間取りを組み立てようとします。

 

そして、その意図の通り出来るだけ多くの部屋を南向きでつくり、

その部屋の南に大きな窓をつくることになると思います。

 

しかし一見ベストな提案のように思える

この王道的な間取りも、

蓋を開けてみると大きな落とし穴が潜んでいます。

 

例えば、日当たり。

この土地で南向きに窓をつくるということは

イコール(=)家の中が丸見えになるということでもあります。

 

つまり、この間取りの弱点は、プライバシーが担保されていない

ということなのですが、

これが様々な支障をもたらします。

 

まず、南向きの窓全てにカーテンが必要となります。

視線を遮断するためにです。

そしてカーテンによって光が遮断されてしまい

家の中が常に薄暗くなります。

 

それどころか、家の奥の方、つまり北になればなるほど

もっと光が届かなくなり、昼夜問わず照明をつけ続けて

おかないといけません。

 

つまり、明るいはずのお家が

暗くなってしまうという思いも寄らない現実を

突きつけられてしまうわけですが、

カーテンというアイテムは

明るさと同時に「開放感」をも奪ってしまいます。

 

カーテンが開けられないということは、

窓があることによって感じられるはずだった

「抜け感」が感じられなくなる

ということでもありますからね。

 

また、南向きの土地は

庭を道路に面してつくらないといけないため

庭も家の中同様に丸見えになってしまう

という弱点も持ち合わせています。

 

ゆえ、南にウッドデッキをつくっても

思っていたようには使うことが出来ない

という悲しい現実に直面します。

 

あるいは、どうしてもデッキを使いたい

とお考えなのであれば、

「目隠し」をつくるという手段を

百万円近いコストを捻出して行うか

の選択を強いられることになります。

 

そんなわけで、

間取りプランを考える時は、

周りの環境まで考慮した上で

考えなければいけないというわけですね。

本当に住み心地がいい家を建てるためには。

 

✔️一番の解決策とは?

 

では、この問題を解決するためには

一体どうすればいいのか?

それは、そもそも南向きの土地を買わないことが

実は一番の解決策だと考えています。

 

南向きの土地を買ったのに南に部屋を配置せず、

南に大きな窓をつけないというのは

きっと多くの方にとってハードルが高いからです。

 

プライバシーの担保と安定採光の

両方を実現するためには、

たとえどれだけ日当たりがいい

南向きの土地だとしても、

単純に南に部屋を配置し、

南に大きな窓をつくるという

単純なプランにはしませんからね。

 

そういう間取りは、

カーテンやシャッターといった

オプションもたくさん必要になるし、

確実といっていいほど外構工事にも

多額のコストが必要になるため、

土地だけじゃなく、家や庭代までも

高いものにしてしまいますからね。

 

そんなわけで、

これから土地選びをしようとお考えの方は、

この記事を参考にしていただき

出来れば南向きの土地は

避けていただければと思います。

 

南向きの土地にこだわらなければ

土地代も含めて家づくりのコストを抑えることが出来、

その分、ローンの負担を減らすとか、

より家具やインテリアにこだわっていただけますから!

 

それでは、、、

 

8/22(木)プラン作成で最も大切な要素~家づくりに関する豆知識~

 

プランをつくるにあたりお施主様の要望が大切なことは

もはや言うまでもありませんが、それと肩を並べて大切なことが

土地の周辺環境がどうなっているかということです。

 

周辺環境も踏まえた上で要望をお聞きしプランをつくるようにしないと、

プライバシーや採光に問題が発生し外構工事代がグンと高くなるとか

カーテンが開けられなくなり

明るさや開放感を殺してしまうからです。

 

こんいちわ。

eguken myhome studio 江口です。

 

例えば、以下の図面は

全区画50坪に分割された新規分譲地ですが、

この中で仮にBの土地に家を建てるとしたら

どのような間取りにされるでしょうか。

 

この場合、道路から56mぐらい距離を開け

駐車スペースを確保し、少しでも光が入ってくるようにと

南から34mぐらい距離を開けつつ南向きにリビングを配置しながら

家を建てるのが一般的ですが、

正味の話、南に建つ家が2階建てだった場合

1階のリビングには「冬」ほとんど光が入ってきません。

 

前に建つ家との間に充分な距離が確保出来ていないため、

太陽高度が低い時期は前に建つ家によって

光が阻害されてしまうからです。

 

また、このような建て方をした場合、1階に寝室や子供部屋などの

個室をつくるのが難しいため、それらは必然的に

2階に配置されることになるのですが、

そうなれば部屋の南面に突き出して

ベランダが設置されやすくなり、

そのベランダによってさらに光が阻害され

リビングの薄暗さに拍車をかけてしまいます。

 

西も東も家に囲まれているため

西や東から補助的に光を入れようとしても

建物によって光が阻害されるし、

窓のサイズを大きくしたとしても

隣家との距離が近いと

カーテンを開けることが出来ないため

結局、大して光が入ってきませんしね。

 

そんなわけで

周りが家に囲まれている土地で家を建てる場合は、

こういったことも考慮した上でヒアリングを行い、

懸念される事項の解決策とのバランスをとりながら

プランを作成していかないといけない

というわけですね。

 

一例としては、

どうしてもリビングを南に配置したいのであれば、

採光問題を解決するために

リビングに「吹抜け」をつくる

という手段が考えられます。

 

吹抜けをつくり、

より高い位置から光を採るようにすれば

1年中、前に建つ家によって

光を阻害されることがなくなるからです。

 

かつ、太陽高度が低くなる冬は

奥深くまで光が射し込んでくれるため、

北に配置されやすく暗くなりがちなキッチンも

明るくなりやすいし、

吹き抜けがあることによって抜け感が出るため

開放感も感じやすくなりますしね。

 

また、「中庭」という手段も「吹抜け」同様に

1年中光を確保し続けることが出来る

とっても有効な手段となります。

 

「中庭」をつくるとなれば、リビングは一番南ではなく

一番北に配置することになるため、必然的に前に建つ家との間に

充分な距離が生まれるからです。

 

かつ、西や東に建つ家との間にも

充分な距離が確保出来るため

1日中安定的に光が入ってくるし、

家の真ん中から採光を確保出来れば

家全体に満遍なく光を届けられるので、

隣家との距離が近い外周面に

採光のための窓をつくる必要もないし、

間取りの自由度も高まりますしね。

 

いかがでしたか?

土地に合わせて間取りを考えることの

大切さについて「なるほど!」と

思っていただけたのではないでしょうか。

 

では、次回は、

この分譲地内のEの土地について

解説していきたいと思いますので、

ぜひ次回もご覧いただけたらと思います。

 

それでは、、、

 

 

8/8㈭平屋の現実 その5~家づくりに関する豆知識~

 

共働きが多くなってきた今、

家事の負担を下げたいとお考えになる方も

多くなってきていると思います。

 

そして、その実現の手段として

弊社では「平屋」を推奨しているのですが、

今回はその理由について

お伝えしていきたいと思います。

 

今回の内容も、

言われてみるとごく当たり前のことですが、

言われるまで案外気がつかないことなので、

ぜひ最後までお付き合いください。

 

こんにちは。

eguken myhome studio 江口です。

 

まず平屋にすることで圧倒的に負担が減ることが洗濯の一連の動きです。

 

干すにせよ、取り込むにせよ、たたむにせよ、片付けるにせよ、

全て平面移動だけで事足るからです。

 

2階建ての場合は、

上と下を行ったり来たりしないといけない

可能性がグンと高くなりますからね。

 

ただ、平屋の場合でも

注意しておかないといけないことが、

「干場をどこにするのか?」ということです。

 

家の正面に干すとなると、

他人から洗濯物が丸見えになるし、

隣家との間のスペースに干すにしても、

勝手口から外に出るとなると、

その往復だけでもけっこうな手間になりますからね。

 

人と会う可能性も考えると、ノーメイクやパジャマのまま

外に出ていきにくいですしね。

 

また、室内干しにする場合でも、それなりにスペースを確保しないと

ギュウギュウで洗濯物を干すことになり、

これがなかなか乾きにくくなる原因となり、

半乾きの臭いが発生しやすくなってしまいますしね。

 

そんなわけで、平屋にする場合洗濯物をどこに干すのかを熟慮することが

大切かと思っている次第です。

 

✔️片付け・掃除も楽になる

 

そして「平屋」にすることで

圧倒的に負担が減るのが片付けと掃除です。

 

片付けの負担が減る理由は、

全ての部屋と収納が同じ階にあるから。

つまり、子供たちのおもちゃや学校道具を

自分の部屋に片付けておけるようになるし、

家族みんなの衣類なども各々の収納に

片付けておけるようになるからですね。

 

2階建ての場合だと、

子供たちのおもちゃや学校道具を

毎日2階にある自分の部屋に

持ち運びするのはほぼ不可能だし、

衣類にしても

いちいち上に持っていくのが面倒になり

そのうちリビングやダイニングに

置きっ放しになってしまいますからね、

 

掃除に関しては、

片付けがしやすいことから

掃除をする前の一手間が減るから、

そしてワンフロアなので、

ルンバに昼間働いてもらえるからですね。

 

そして、これに加えて

もっと掃除の手間が省ける方法が一つ。

それは、埃が貯まる場所を

最小限にする工夫をするということです。

 

例えば、幅木。

床と壁の取り合いのところに

つける部材のことですね。

これに関しては、

従来のものよりも薄型のものが

製品として出ているので、

これを使うことを推奨しています。

 

また、ドアを天井の高さに合わせると、

ドア枠の上にたまる埃がなくなるし、

窓枠もなくしてしまえば、

窓枠の上にたまる埃もなくなります。

かつ、カーテンがいらないように

間取りを設計すれば、

カーテンレールにたまる埃もなくなるし、

カーテンの掃除をする必要もなくなります。

 

カーテンをなくすことが出来れば、

窓の数を最小限にすることが出来るし、

そうなれば窓掃除もずいぶんと楽になりますしね。

 

そんなわけで弊社では、

「間取りに一工夫を加えた平屋」を

オススメさせていただいているというわけですね。

 

いかがでしたか?

 

平屋は老後に良いとよく言われますが、

それは当たり前として、

個人的には子育て期間中こそ

「平屋が最強」なんじゃないかとよく思います。

 

間取りさえ間違えなければ、

便利なのはもちろんのこと、

超快適にも暮らせますしね。

 

というわけなので、

これから家を建てる方は、

平屋という選択肢も持ちながら、

家づくりに臨んでいただければと思います。

 

それでは、、、

 

 

8/1(木)平屋の現実 その4~家づくりに関する豆知識~

 

「家の中の温度環境」という点でとらえると、

昔の家に比べて今のお家ははるかに「快適」になりました。

「ガラス」も「壁」も断熱性能が格段にアップしたからです。

 

その上、脱炭素の流れもあって更に断熱性能の強化が進んでおり、

これから家を手に入れる方は、暑さ・寒さに関しては

極上のものを手に入れることが出来るわけですが、

なおのこと「平屋」はその恩恵を多く受けられるんですよね。

 

こんにちは。

eguken myhome studio 江口です。

 

では今回は平屋の快適性についてお伝えしていきたいと思います。

 

まず冒頭でお伝えした恩恵を

平屋の方が多く受けられる理由についてですが、

これは極めて単純で部屋が上下階に分かれないからです。

つまり、2階建てに比べて空気が循環しやすいからです。

 

ゆえ、2階建てのお家で

上下階で生じる温度差をなくすために

よく設置している数百万もする

空調システムを設置する必要もなくなり、

その分コストも浮くことになるという

恩恵も享受出来ることになります。

 

そんなわけで平屋は、

「快適性」という点においても、

またコスト的な面においても

2階建てを凌駕するわけですが

とはいえ、ただ家の中の温度環境が優れているだけでは

充分に快適であるとは言えません。

 

✔️快適性の鍵は「プライバシーの担保」

 

巷では、いわゆる高性能住宅さえ建てれば

快適性が担保されたように言われていますが、

実際はそうではなく、快適性を語る上では

プライバシーの担保を外すことが出来ません。

 

例えば、南からの光さえたくさん入れられれば、

明るく快適な家になると

なぜが自然と思い込んでしまいがちですが、

そのために南向きの土地を買い、

南向きに部屋をたくさんつくり、

南にたくさん大きな窓をつくってしまうと、

一体どのような状況になるのでしょうか。

 

想像してみてください・・

部屋の中に入ってき過ぎる直射日光が眩しすぎて

かえって居心地が悪くなりそうだと思いませんか?

テレビは見にくいわ、家具やインテリアが焼けるわ、

やたらと暑いわ、という状況になりますからね。

 

また、このような間取りは

他人から家の中が丸見えになるため、

カーテンなしでは

とてもじゃないけど家の中で落ち着いて過ごせません。

 

結果、当たり前のようにカーテンをつけ、

それを開けることは

窓を開けて換気をするわずかの時間しかありません。

また、眩し過ぎる直射日光が

カーテンだけで防ぎきれない場合、

シャッターまで下ろすことになります。

 

そして、家の中は当初の計画とは裏腹に

薄暗くなってしまいます。

それどころかキッチンや脱衣といった

明るくあって欲しい場所が照明なしでは使えないほど

暗い場所になってしまいます。

 

果たしてこのようなお家を快適だと言えるのでしょうか。

ゆえ、平屋で快適性を高めるためには、

プライバシーが担保された間取りを

つくることが必要不可欠なんですよね。

もちろんこれは2階建てのお家においても

同じことが言えますけどね。

 

この大切さは、

残念ながら多くの方が建てる前には気づかず、

建ててから気がつくことだと思います。

 

なので、これから家を建てる方は

すでにお家を建てた方の家に一度お邪魔させていただき、

実際暮らしてみてどうなのかと

実際家の中は明るいのかなどを

その目で確かめてから間取りについて

考えていただくことをオススメします。

 

快適性の鍵は確実にここにあるはずですから。