人は「得をする」ことよりも
過剰に反応する生き物だと言われています。
要は、本能的に損失を回避しようとする
例えば、100円玉を投げて、
裏が出たら5万円を失うという
確率論的に考えると、
表と裏が出る確率は50%だからです。
つまり、この賭けを2回やった場合、
どっちも勝って20万円得をする可能性と、
どっちも負けて10万円損をする可能性もあるものの、
確率論的には半々になって
乗るべきだということなんですが、
本能的にそうは出来ないのが人ってもんですよねー。
実際、自分だっていざこの勝負を目の前にすると、
おそらく怯んでしまうでしょうしね(笑)
こんにちは。
eguken myhome studio 江口です。
だって、もしかしたらどっちも負けて
10万円損しちゃうかもしれませんからね。
そんなことになる可能性があるぐらいなら
最初からやらない方がマシだと
そんなわけで、どうやら僕たちは
なかなか思い切って挑戦しにくいように
実際、貯金に関しても、
絶対に減ることはないので、
というのもこの損失回避マインドだし、
保険に至っては、
もしもの時の補償まで備えているわけですしね。
そら、みんな
海のものとも山のものとも分からない積立投資よりも
こっちを優先するのはごく当たり前だと思います。
まー、そうは言っても、
これから先をお金の不安をなく生きていくためには、
銀行預金や保険を掛けつつも
弊社で家を建てる方には、
半ば強制的にオススメさせていただいていますけどね。
✔️家づくりにおける損失回避
そして、こと家づくりにおいても、
と言っても、金銭的なことではなく
「後悔するぐらいなら」ってやつですが。
後から出来ないことは後悔しなくていいように
今のうちにやっておこうか、的なやつです。
仮にそれらによって
35年ローンに慣らしてしまえば
メンタル的な損失が回避出来ちゃうわけですからね。
まー実際は、
今後この負担増がボディブローのように
地味に効いてくるわけなんですが。
この代表的なものが、
「部屋の数」や「部屋の広さ」ですね。
もし、子供がもう1人出来たら。
もし、誰かが泊まりに来たら。
もし、親と同居になったら。
もし、荷物がもっと増えたら。
もし、収納が足りなかったら。
と考えたら、予算的にいけそうなら
それらに備えておいて損はない
と思ってしまいますからね。
まだまだ、他にもいっぱいありますけどね。
まー、予算的に問題ないなら、
やりたいことをガンガン詰め込んでいただいても
いいんですけどね。
あくまで問題なのは
その損失回避マインドを満たすために、
予算的な無理をしてしまうことなので、
なかなか難しいことではありますが、
そのバランスをとりながら
家づくりをしていただけたらと思います。
個人的には、勢いに任せて一気に進むのではなく、
巷に溢れた様々な情報を
自分たちの中で咀嚼しながら進めるために
ゆっくりと時間を取ることも
大事なのではないかと思います。
それでは、、、
いつ起こるか分からない東南海大地震に備えて
津波のリスクがない土地を選び、
耐震構造にしたいというのが、
これから家を建てる方に共通した大切な要望だと思います。
そして、それを実現するために
耐震等級3を取得することや制震ダンパーをつけることが、
現在の家づくりでは当たり前になっているのですが、
それ以上に大切なことが
バランスのいい家を建てることではないでしょうか。
つまり耐震等級3や制震ダンパーによって
高い安全性を担保するより前に
そもそもバランスのいい構造に設計すべきなのではないか
というのが僕の持論です。
こんにちは
eguken myhome studio 江口です。
というわけで今回は
知っておいていただきたいことについて
✔️バランスが悪くなる理由
家のバランスが悪くなる一番の理由は、
なぜそれがダメなのかと言うと、
そしてもう1つは南北のバランスが悪くなるから、です。
上下のバランスが悪くなる理由は、
2階は細かく区切って個室をつくるため
1階への負荷が大きくなってしまうからです。
その上、明るくしたいLDKには
より多く窓をつくろうとする傾向があるので
なおのことバランスが悪くなってしまいますしね。
南北のバランスが悪くなる理由は、
北には窓をほとんどつくらないからです。
その上、多くの方が南に突き出してベランダをつくりますしね。
これらの結果、2階建ての家はバランスが悪くなってしまうため、
それを補うために耐震等級3の計算をし、
かつ制震ダンパーをつけなくてはいけなくなるというわけですね。
✔️バランスのいい家を建てるためには?
では、バランスのいい家を建てるためには
それは、単純に先程の2つをなくせばいいだけです。
要は「平屋」にしながら
南北の壁量バランスがいい家にすればいいというわけですね。
平屋にすれば上からの荷重負担がかなり小さくなります。
その上、重心が低くなることによって
強風や重量車両通行による揺れを大幅に緩和出来ます。
なので、平屋にすることが一番高い安全性の確保だと思います。
そして、その上で保険のために耐震等級3を取ったり
制震ダンパーをつければいいのではないかと。
続いて、南北の壁量バランスがいい家を建てるための方法ですが、
これに関しては、そう簡単に実現出来るものではありません。
というのも、これを実現するためには、
そもそもヒアリングのやり方を180度変えなければいけないからです。
具体的には、
一般的なヒアリングが部屋の広さから部屋数や部屋の配置、
動線から収納の位置や分量に至るまで
それだけで間取りが固定されてしまいそうな要望を全て聞き出すのに対し、
これを実現するためのヒアリングとは、
間取りが固定されてしまいそうな要望は
基本的には聞かないというスタンスを貫かないといけないという感じですね。
聞き出せば聞き出すほどその要望を実現せざるを得なくなり、
結果、本当に大切な耐震性よりも
要望の方を優先する形になってしまいますからね。
おまけに聞き出した要望自体が、
その土地に必ずしもマッチしているとも限らないですからね。
そんなわけで、
少しでもコストを抑えながら建てるためには、
この2つ目の要素がとっても大事だということを
覚えておいていただければと思います。
部屋の配置や動線などは
土地によってベストな形が全く違ってくるのですが、
その辺は安心してプロに任せていただければと思います。
それが結果的に自然と高い耐震性を持ったお家を建てる方法ですから。
それでは、、、
脱炭素の流れに伴い、
住宅の高性能化が著しく進んできたここ数年ですが、
正味の話、若干行き過ぎた感が否めないなと感じている方も
少なくないのではないでしょうか。
また、どこに行っても性能の話をされるものの、
その違いもイマイチ理解出来ないため
少なくないのではないでしょうか。
こんにちは。
eguken myhome studio 江口です。
というわけで、
今回は業界の中で加熱し過ぎている
についてお伝えしていきたいと思います。
要は、お施主さんが最高の形で暮らせるぐらいの
ハイスペック(高性能)を備えておくのは
プロとして当たり前のことですが、
それを超えた「オーバースペック」は、
というのが個人的な意見なので、
✔️オーバースペックとは?
ウィキペディア曰く、
利用者が求めるよりもさらに高く持っている性能と、
その性能を持つ機械の総称ですが、
利用者にとっては不要なものだし、
「いやいや、そんなことないでしょ!
施主が求めている以上のものを搭載してくれているのだから
素晴らしいじゃないですか!」
このようにお考えになる方もいらっしゃるかもしれませんが、
ハッキリと申し上げると、
お施主さんが求めている以上のものを搭載するために
かけるコストが絶望的に無駄だと思っています。
そもそも平屋にすれば、
99.9999%必要じゃない「制震ダンパ」
これだけでも40〜50万円の負担増です。
また、この地域では、
「UA値0.87」という数値さえクリアしていれば
最高クラスの断熱性能を備えているし、
あるいは「0.6」という数値をクリアしていれば、
ZEH基準すらもクリアしていて
超快適に暮らしていけるにも関わらず、
なぜかその遥か上を行く北海道級の数値を標準にするという
謎の快適性の追求。
なのに、空気の循環を遮る「廊下」を大量につくるという
矛盾だらけの提案をする住宅会社。
この2つの要素を兼ね備えているだけで、
100万円〜200万円はコストの無駄を
叩き出しているのではないでしょうか。
この他、200万円〜300万円ほどする全館空調システムなんかも
体感したら「これ欲しいー!!」となりやすいアイテムですが、
これだって確実に製品寿命がやってくるので、
後々のメンテナンスコストまで踏まえると
かなり大きな負担増になるのではないでしょうか。
そんなわけで、
住む人のためにというよりは
むしろ他社との差別化のためだけに、
お施主さんが負担するコストを犠牲にしてまで
「自社の強み」を作り出すのは間違った考え方ではないか
と思っている次第であります。
現在は、木材をはじめとした原材料費の高騰によって
かなり負担増になっているので、
本来私たちはコストを抑える工夫や提案をすべきですからね。
✔️活かすも殺すも間取り次第
私たち住宅会社は、
お施主さんが最高の状態で暮らせるように
ハイスペックを備えておく必要はありますが、
コストを犠牲にして
それ以上の「オーバー(過剰)スペック」を備えるのではなく、
そのハイスペックを活かす間取りを
考えることが大切ではないでしょうか。
先程お伝えした「制震ダンパ」は
平屋にすれば設置する必要すらありません。
また、平屋にしつつ空気を遮断する廊下をなくせば、
体積も小さくなり冷暖房効率が格段に高くなるので、
過剰な数値を追いかける必要もありません。
かつ、平屋にすれば階段による
上下階の温度差が生まれなくなるので、
全館空調システムだって必要なくなります。
つまり、間取りによって
暮らしの中で起こる問題を解決することさえ出来れば、
不用意にコストを上げることなく
最上級に暮らしやすい住まいを提供することが出来るというわけですね。
なので、オーバースペック(過剰性能)は
確かに魅力的に感じるかもしれませんが、
それは確実にコストに跳ね返るということ、
そして、そんなことをしなくてもいい間取りさえ出来れば、
一般的なハイスペック(高性能)住宅で
充分過ぎるぐらいだということを
覚えておいていただけたらと思います。
それでは..
家づくりをしていく過程では、
予算のこと、土地のこと、家のことで
数多くの意思決定が必要となるのですが、
意思決定で大切なことが
出来るだけ合理的で冷静な判断をすることです。
つまり勢いやその時の感情に任せて
意思決定をするのではなく、
常に自分の感情と一定の距離感を
持つことが大事だということですね。
こんにちは。
eguken myhome studio 江口です。
さて。
今回は家づくりの知識の話ではなく、
マインド的な話をしたいと思います。
以前読んだ本から得た知識で、
実際、僕自身が大きな意思決定をする時に
意識している2つのことなので、
ぜひ参考にしてもらえたらと思います。
なんせ家は、人生を左右すると言っても過言ではない
とっても大きな買い物ですからね。
✔️時間の切り替え
まずやっていただきたいことが
「10-10-10分析」です。
その決断について
10分後にどう感じるのか?
10ヶ月後にどう感じるのか?
そして10年後にどう感じるのか?
という3つの時間枠で考えるということですね。
理由は、3つの時間枠で考えることによって
嫌でも自分の意思決定と
一定の距離を置くことが出来るからです。
どうやら人間という生き物は、
現在の感情がどんなに激しく強烈だとしても、
未来はあいまいに感じられることから、
現在と未来に食い違いがあると、
ついつい現在を重視し過ぎる傾向があるようなので、
この視点はそれを補正するために
欠かせないのではないでしょうか。
実際のシーンで考えてみると、
例えば間取りを考える時というのは、
現在の暮らしの問題を解決することに
フォーカスしてしまうのですが、
10年も経てば子供たちも成長し、
もしかしたら暮らし方や使い方が
今とは違っているかもしれませんよね。
また、予算的なことにおいても、
子供たちが小さいうちは、
子供たちにかかるお金が少なくて済むため、
現在にフォーカスし過ぎると、
安易に予算をアップさせてしまいがちになるのですが、
10年後は確実に子供たちにかかるお金も増えるし、
食費や旅費などの負担も大きくなるため、
それでも大丈夫なのかを考えておくことも大切です。
さらにそのすぐ先には大学への進学だって控えているし、
そもそも収入が増えているのかも
現時点では予想がつかないですしね。
そんなわけで、予算、土地、家という
全ての家づくりの意思決定において、
この分析を取り入れた方がいいと思っている次第です。
とりわけ10年後が家づくりでは大事なポイントかと思います。
✔️視点の切り替え
続いてやっていただきたいことが、
「親友が同じような状況にいるとしたらなんとアドバイスするか?」
という客観的な見方です。
僕もそうですが、
なんせ人は自分のことはよく分からなくても、
人のこととなれば細かなところまでよく見えるし、
色々と分かったりするものだからです。
自分のこととなれば、
一時的な感情に振り回されてしまうのが、
こと他人事となれば不思議なくらいにその一時的な感情を
脇に置いておくことが出来るからなんでしょうね。
結果、その決断において
最重要項目だけを自然と優先することが出来、
合理的で冷静な判断が出来るということのようです。
予算面に関しては、
この俯瞰的な見方が特に大切になってきそうですよね。
というわけで、これから家づくりをされる方は、
この2つの視点を持ちつつ
家づくりを進めていっていただければと思います。
途中で変更も修正も出来ない大きな買い物なので、
焦らず、盲目的にならず、俯瞰的な見方によって
合理的で正しい決断を行なってください。
それでは、、、