2020年12月

12/25(金)「節約」だけじゃなく「節税」の意識も必要  ~家づくりに関する豆知識~

 

日本ではここ数十年、税と社会保険料の負担が増え続けています。

朝日新聞の201863日の記事による試算によれば、一般の働く世帯の1ヶ月あたりの税と

社会保険料の負担は、平成の30年間で約34,000円も増加。

上昇率は36%、年間換算では約40万円になります。

 

加えて、物価も上がりました。

現在、アベノミクスはインフレ誘導に懸命ですが、平成の約30年間の推移で見る限り

物価はすでに1割上昇。

税と社会保険料の負担増と合わさり、一般世帯からどんどん現金が流出する流れが

顕著になっています。

 

深刻なのは、これだけの高負担を国民に強いているにもかかわらず

国の財政が悪化し続けていることです。

国の借金総額は約1100兆円という途方もない額まで膨らみました。

それにより、今後さらに税と社会保険料の負担が増える可能性は極めて高いと考えられます。

 

こんにちは。

eguken Myhome studio 樺島です。

 

なんとも暗い話から始めてしまった今回のブログですが、この記事に書かれた問題は

自分も含め、全ての方にとって切っても切り離せないことだし

これから家づくりをするにあたっては、この問題と向き合いながら資金計画を立て

家づくりの予算編成を行わなければいけません。

 

「節約」は当たり前。「節税」を意識する時代。

 

税と社会保険料の負担増が止まらない時代を生き抜いていくためには

自分自身で準備し、自力でその流れに対抗するしかありません。

  

そして、そのためにまずすべきことは「節約」です。

例えば、購入する車の費用を抑える、外食の頻度を減らす、嗜好品を我慢する

などがありますが、家づくりにかける費用もまた節約すべき1つです。

 

みんなが、掛けているからといって、あなたも同じようにお金を掛けてしまうと

30年後、非常に苦しい生活を強いられる可能性がグンと高くなってしまうでしょう。

 

それゆえ、家づくりをする前に、自分たちの経済的状況に合わせた資金計画を練る必要があります。

周りの話に振り回されることなく、です。

 

また、これからは、誰しもが「節税」を意識する必要があります。

家を建てると適用となる「住宅ローン控除」はもちろん

家族みんなの病院や薬局でかかった費用に応じて税金が安くなる

「医療費控除」も積極的に使うべきだし、個人型確定拠出年金のiDeCoなども

掛金が全額所得控除となるため、誰もが利用すべき制度ではないでしょうか?

 

この他、NISAやつみたてNISAなども、投資に対するネガティブな先入観から

多くの方が敬遠しがちですが、キャピタルゲイン(売買差益)から発生する

20%の税金が非課税になるので、前向きに利用すべき制度です。

 

現在は、銀行にお金を預けていても全く増えないため、銀行に貯金をする意味は

全くないと言っても過言ではありません。

(むしろ、時間外に引き出すとマイナスになります)

 

一方で、先程のような制度を知り、積極的に利用すれば、高いリスクを取ることなく

着実にお金を増やすことが出来ます。

 

ということで、さらに厳しくなっていく未来を、決して甘く見積もることなく

現在と並行して未来のことまで考えながら、ファイナンシャルプランを

立てていただければと思います。

 

そして、現実的な資金計画をした上で、家づくりをしていただければと思います。

 

それでは、、、

 

12/16(水)窓の存在意義 ~家づくりに関する豆知識~


窓は、外からの“光”を室内に採り込むために存在します。

窓は、外からの“風”を室内に採り込むために存在します。

 

この2つの機能を果たすために窓は存在しているのですが

この2つの機能をしっかり果たしてもらうためには、窓のつくり方を熟考する必要があります。

 

というのも、ただ単に窓をたくさんつくっただけで、その機能がうまく果たせるわけではなく

むしろ、その機能を、逆に殺してしまっているお家がたくさんあるし、窓を多くつくればつくるほど

無駄に建築コストがかさんでしまうだけだからです。

 

こんにちは。

eguken MYhome studio 樺島です。

 

例えば、大きな窓をつくったとしても、家の中が外から丸見えになってしまうとしたら

そこにはカーテンを付けざるを得なくなってしまいますよね?

となると、カーテンが光を防いでしまうことになります。

 

また、その窓に防犯的に不安を感じてしまうとしたら

そこにはシャッターを付けたくなってしまうし、窓の向こうに障害物がなく

風の当たりが厳しそうだったり、風によって物体が飛んできそうだったり

直射日光の厳しい日差しがたくさん入ってきそうだとしたら

そこにはシャッターを付けたくなってしまいます。

 

そして、そのシャッターを、ずっと閉めたままにしてしまったとしたら?

 

ですよね・・

そこは壁があるのと同じなので、そもそも、そこに窓をつくった意味が

なくなってしまうということですよね?

 

それゆえ、間取りを考える時には、窓の機能を殺してしまう

カーテンやシャッターを付けなくていいような窓の配置を考えなくてはいけません。

 

また、位置だけじゃなく、形やサイズ、そして使用するガラスのことまで

よく考えて設置していくようにします。

 

このように窓を考えていくと、窓の本数を必要最小限に抑えることが出来ます。

 

そして、その結果、窓にかかる建築コストを最小限に抑えることが出来るようになります。

また、カーテンがいらないように設計出来れば、カーテン費用もいらなくなるので

さらに建築コストを抑えることが出来るようになるんですよね。

 

使えない窓を省くことよる数々のメリット

 

その1:断熱性能が高くなる

 

窓が少なくなるということは、イコール壁の数が多くなるということでもあります。

となると、窓よりも断熱性能に優れた断熱材が施工される箇所がより多くなるということになります。

その結果、必然的に断熱性能は高くなります。

 

その2:収納力が高くなる

 

窓が少なくなり、壁が多く出来るということは、室内側の壁面積が増えるということでもあります。

となると、より収納を増やすことが出来ます。

 

収納力は、いかに床面積を広げたか?で決まるものではなく

いかに壁面をうまく利用出来たか?によって決まるものだからです。

 

それゆえ、収納をより充実させるためには、収納の中によりたくさんの壁をつくりつつ

空間の余白を有効利用してやる必要があります。

 

また、収納だけじゃなく部屋においても、壁面をしっかり確保しておけば

家具なども置きやすくなるし、棚なども設置しやすくなり

空間の余白をより有効利用しやすくなります。

 

その3:外壁が汚れにくくなる

 

窓が少なくなることによる3つ目のメリットは

外壁の汚れ箇所を減らすことが出来るということです。

 

というのも、外壁の汚れの最大の原因は窓だからです。

窓の上に貯まった土ほこりが、雨によって垂れ流されることによって出来る垂れジミですね。

 

結果、外観を長く美しく保ちやすくなるし、もっと長い目で見た時

外壁の塗り替えにかかるメンテンンス費用を、少しでも抑えることも出来るようになります。

 

いかがでしたか?

窓のつくり方に工夫が出来れば、以上のようなメリットをもたらしてくれるようになります。

 

窓がたくさんあるから、明るくて開放的な家になるわけではありません。

窓がたくさんあるから、風通しがいい家になるわけでもありません。

 

逆に、窓が少ないから、暗くて閉塞感のある家になるわけでもありませんし

風通しが悪い家になるわけでもありません。

 

この事実をご理解いただき、より少ないコストで、よりいい家を建てていただければと思います。

 

それでは、、、

 

 

12/10(木)イニシャルとランニングコスト ~家づくりに関する豆知識~


家の大きさは、単純に建築費用を左右するだけじゃなく、それに付随して様々な費用も左右します。

 

例えば、40坪の家と25坪の家では、冷暖房の消費電力も違ってきます。

面積が広くなった分体積も大きくなるからです。

  

また、40坪の家と25坪の家では、建物にかかる固定資産税や都市計画税も違ってきます。

 

こんにちは。

eguken Myhome studio 樺島です。

 

では、土地の広さに関してはどうでしょうか?

もちろん、25坪の家を建てるよりも、40坪の家を建てる方がより広い土地が必要となりますよね?

 

そして、土地の面積が広がるとともに土地の固定資産税や都市計画税も高くなります。

また、土地が広くなれば、その分、外構工事費用も高くなってしまいます。

 

つまり、家の大きさは、単純に建築コストに影響を与えるだけじゃなく

こういった費用にも大なり小なり、影響を及ぼすというわけですね。

 

家をコンパクトにするためには?

 

 

それゆえ、家づくりの予算を抑えるためには、家を大きくしないことが重要なのですが

とはいえ、やみくもに家を小さくしたのでは、住みにくい家をつくってしまうことになるので

必要・不必要をよく精査しなければいけません。

 

例えば、“廊下”などは、どうでしょうか?

 

廊下は、部屋と部屋をつなぐための、ただ通るだけのスペースなのですが

この廊下をつくることによって、家の中には温度差が生まれやすくなります。

 

廊下へと続くドアは、基本ずっと閉めっぱなしになるからです。

 

結果、夏は涼しい部屋と暑い部屋の差が極端に出てしまうことになります。

また、冬は暖かい部屋と寒い部屋の差が、極端に出てしまうことになります。

これが、廊下がもたらす状況ですね。

 

この廊下にも、部屋や収納と同じようにコストがかかっています。

換算すると1㎡あたり約15万円ですね。

 

仮に、この廊下が全体で6帖あるとしたら、その面積は10㎡となり

そこには150万円ものコストがかかっているということになるのですが

単純にこれっていらないと思いません?

 

部屋の数や広さなども、廊下同様によく考えてみてもいいところです。

 

例えば、お子さんが3人いらっしゃるとして、それぞれの子どものために

6帖ずつの広さで部屋をつくってあげるとしたら、6×318帖というスペースが必要になります。

 

しかし、子どもたちは、かつてあなたがそうしたように、やがて出て行くのではないでしょうか?

つまり、ずっとその部屋を使い続けるわけじゃないということです。

 

この子ども部屋にも、廊下同様にコストがかかっています。

 

18帖という広さには、450万円コストがかかっているのですが

もし、この広さを縮めることが出来るとしたら建築コストを抑えることが出来るようになります。

 

そして、その浮いたお金を、違うことに使えるようになります。

子どもたちと遊びに行く費用や、子どもたちの教育資金といった費用に、です。

  

これらは、ほんの一部ですが、少しずつでも、無駄かもしれない部分をカットすることが出来れば

家をコンパクトにすることが出来、結果、余分な建築コストと、それに付随する余分なコストを

抑えることが出来るようになります。

 

そして、その浮いたお金を、暮らしをより豊かにするためのコトに

使っていただけるようになります。

 

一生に一回の買い物だから妥協したくない・・

後悔したくないからやりたいことを全部詰め込みたい・・

この気持ちも分かります。

 

しかし、その強い想いに縛られすぎて、あなたのこれからの大切な人生を

犠牲にするようなことだけは、絶対にしないでください。

 

あなたのこれからのためにも、そして未来ある子どもたちを育てていくためにも

もっと現実的に、もっと合理的に、家づくりを考えていただければと思います。

 

それでは、、、

 

 

12/1(火)これからの家づくりで心がけておくべきこと ~家づくりに関する豆知識~

 

「コンクリートの値段がけっこう上がったんで

基礎工事の値段をちょっと上げてもらえませんか?」

 

先日、基礎屋さんからこのようなご相談があったのですが、ここ最近、コンクリートだけに限らず

建築資材の価格が徐々に上がってきています。

 

また、国が指定する耐震や断熱に対する基準が、厳しくなったことから

以前に比べ、そもそもの建築コスト自体も高くなっているのが現在の家づくりです。

 

そして、それに加えて、消費税も徐々に高くなっていっているため、ほんの数年前と比べても

家づくりに対する負担が、ずいぶんと大きくなってきているのが現実ではないでしょうか?

  

こんにちは。

eguken Myhome studio 樺島です。

 

このような物価の上昇に連動して、賃金も上がっていっているならば

これはこれで、ほぼほぼ問題のない話なのかもしれません。

 

しかし、実際のところ、年々、所得が上がっていっているという実感をお持ちである方が

一体どれくらいいらっしゃるでしょうか?

 

あるいは、以前の日本のように、これからも安定して所得が上がり続けるという希望を

一体どれくらいの方がお持ちなのでしょうか?

 

 

家づくりも時代に合わせてしなければいけない

 

 

材料代のアップや基準のアップ、そして税のアップによって、建築コストはどんどん

上がっていっているのに対し、所得が上がってないか、あるいは今後も上がる見込みが

薄いのであれば、出来るだけ、家に対する負担を減らす方向で考えなければいけません。

 

そして、品質を落とさず、それを実現するためには、面積を小さくするしか方法がありません。

 

しかし、いくつかの理由から、家を小さくすることに対する抵抗感が拭えず、多くの方が、結局

家にお金をかけ過ぎてしまっています・・

 

理由その1:みんながそうしているから

 

家を建てようと思うと、誰もが、住宅展示場や完成見学会に行くと思います。

そして、そこで目にするのが、同じような間取りのお家です。

また、同じような広さのお部屋です。

 

1階には広いリビングの他に和室があって・・

2階には寝室と人数分の子ども部屋があって・・

各部屋に、それぞれ収納がある上に、大容量のウォークインクローゼットや納戸もあって・・

ご主人専用の書斎があって・・

奥さん専用の家事室があって・・

自分たち用の玄関の他に来客用の玄関があって・・

 

といったお家です。

これらの要素が実現されているお家を見続けていった結果、夢と理想ばかりが膨らみ

多少経済的な負担を背負ってでも、当たり前のように自分たちの家にも

これらの要素を求めるようになります。

 

理由その2:家を坪数で判断してしまうから

 

そして、家が大きくなってしまう2つ目の理由が

「家はこれくらいあるものだ」という固定概念です。

 

「最低でも30坪はあるものだ、出来れば40坪ぐらいは欲しい」

このようにお考えの方が、数多くいらっしゃるのではないでしょうか?

 

おそらく、こうなってしまう一番の理由は “みんながそうしているから”だと思いますが

それだけの大きさが、暮らし的にも予算的にも必要なものなのかどうか

そんなに深く考えずに決めてしまっていませんか?

 

理由その3:虚栄心から

 

最後に、3つ目の理由として “小さな家を建てることが恥ずかしい”

ということも少なからずあるのではないかと思います。

 

みんなより小さな家になってしまうことに対して、劣等感を抱いてしまうとか

カッコ悪いことだと思ってしまうということですね。

 

また、家だけに限らず土地に関しても、出来るだけ広く買いたいという感情を

誰しもが少なからずお持ちなのではないでしょうか?

 

そして、冷静に自分自身の予算と照らし合わせが出来なくなり

適正な予算を遥かにオーバーした買い物をしてしまう・・・というわけです。

 

家づくりは、あなた自身にとっての適正な予算の範囲内で行うべきです。

 

それゆえ、まずは、あなたにとっての適正な資金計画を、今だけじゃなくもっと先のことまで

見据えた上で行い、土地や家に一体いくらかけられるのか?を知っていただき

その範囲内で出来る家づくりをしてください。

 

そして、家を考える時、決して家の面積にはこだわらないようにしてください。

たとえ、周りのみんなよりも面積の小さな家になったとしても、設計次第で、より暮らしやすく

より開放的な家にすることも出来れば、よりオシャレでより高級感溢れる家にすることも出来ます。

 

ということで、“家はこういうものである”という固定概念に縛られて

家を負担にしてしまうことのないよう、充分注意して家づくりを行っていただければと思います!

 

それではまた…